2つの食欲
人間には、他の動物も持っている生理的な食欲と、人間ならではの情緒的な食欲があるのです。
生理的な食欲
生理的な食欲は、視床下部にある満腹中枢と飢餓中枢がセンサーとなり、
食べ過ぎることなく、また、飢えることがないようにコントロールされています。
この機能だけが正常に働いていれば、肥満になることもありません。
でも、この機能が正常に働いていても、もうひとつの食欲により、満腹でも食べられちゃうことが人間にはあります。
お腹いっぱいでも、おいしそうなケーキが出されたら「食べたい!」と思い、しかも実際に食べられる、という人も多いと思います。
お酒のあとのラーメンがやめられない人もいますよね。
いわゆる別腹というヤツです。
情緒的な食欲
以前食べたケーキが美味しかったという記憶など、経験や学習により、「満足感が得られる」と脳が判断すると、なんと、脳内ホルモンの働きにより、胃にスペースを作ってしまうんです。
これが、もうひとつの食欲=情緒的な食欲です。
なんたって、「おいしかった」という記憶が引き起こす食欲ですから、拒絶するのは苦しいです。でも、なんとか理性で抑制することができるのも人間の能力です。
ダイエット中は、ここで食べて今までの苦労が台無しにならないようにしよう、とか、目標を達成した時のごほうびにしようとか、自分なりに脳を納得させて、この食欲をコントロールしていきましょう。
また、食欲が出てきた時にじっとしていると、副交感神経が優位になって、ますます胃の働きが活発になってしまいます。
こんな時は、身体を動かす事で交感神経を優位にさせれば、空腹感が薄らぎます。
お腹がすいたら、運動するというのも空腹を避けるひとつの手段です。