肥満に関する遺伝子-ARIA
脂肪細胞の中にも多く存在し、肥満を促進する遺伝子ARIA(アリア)に関するニュース。
ARIAを多く持っていると肥満が増大する。
今回はマウスによる実験だが、ARIA遺伝子は人間にも同様に存在し、今後の研究により肥満の防止、改善につながることが期待されます。
血管内の細胞に存在し、肥満を促進する遺伝子を京都府立医科大の池田宏二循環器内科学助教らのグループが見つけ、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に10日、成果が掲載された。肥満治療薬の開発につながると期待される。この遺伝子はARIAと呼ばれ、細胞死の促進や血流を抑制する働きをする遺伝子として2009年に同助教らが発見した。今回の実験で、生後6週のマウスに高脂肪食を11週間与えたところ、ARIA遺伝子を欠いたマウスの体重増は8グラムで、欠いてないマウスの15グラムに比べ、半分以下だった。逆にARIA遺伝子を過剰に発現させたマウスでは肥満が増大した。普通の食事では差は出なかった。
池田助教は「ARIA遺伝子は飢餓の中でも生き残っていくための遺伝子とみられるが、この機能を阻害する新薬を開発することで、肥満防止、改善につなげられるのではないか」と話している。(2013年9月1日 時事通信)
高脂肪食が好きな人には待ち遠しい新薬かもしれませんね。
肥満に関する遺伝子はARIAのほかにもこれまでにいくつか発見されています。
似たタイプのものには、たとえばFTO遺伝子があります。FTO遺伝子を1組持っている場合、肥満率が30%、二組持つと70%も高くなるというもの。この遺伝子をもっていると高カロリー食を好む傾向もあるとか。
逆に、遺伝子の中でもベータ3-アドレナリン受容体をもっていると、脂肪燃焼やエネルギー消費効率が高くなることが確認されています。
日本人はこの遺伝子に変異のある人が多く、変異があると脂肪を貯めこみやすい体質になってしまいます。
肥満に関するどの遺伝子を持っているか、変異はあるか、などを調べることで個人の体質的な肥満傾向を知ることができます。
その他、肥満に関係する代表的な遺伝子
⇒ベータ3-アドレナリン受容体
⇒UCP1(脱共役タンパク質)
⇒ベータ2アドレナリン受容体
⇒レプチン遺伝子
⇒FTO遺伝子
関連記事(以下はまだFTO遺伝子診断のないバージョンのものですが、ご参考に。)
⇒肥満遺伝子検査キット DNA SLIMの内容
⇒肥満遺伝子診断 結果