低GI食品を過信してはいけない
低GI食品は血糖値を上げにくいとされています。それを理由に白米の代わりに玄米を食べたり、麺を食べるならそばを選んだりしているダイエッターも多いと思います。わたしもそうしてました。
ですが、血糖値を実際に測定している動画をチェックしてみると、GI値に対する考えを変えざるを得ない結果が出ていたのです。
具体的に見ていきましょう。
GI値は、資料によって若干値が異なるので数値の幅で示しました。
白米VS玄米
GI値は、白米が84~88、玄米が55~56です。
玄米は食物繊維が多いから血糖値は上がりにくいのかと思いきや、意外にも血糖値の上がり方は白米とほとんど変わらなかったんです。糖質量は変わらないので上昇幅も白米と変わりません。
これにはかなり驚きました。栄養をたくさん摂るという意味でダイエットに有効な玄米ですが、血糖値はわりと普通に上げるのです。上げ幅を減らすには食べる量を少なめにするしかありません。
ただし、使われていた玄米はレトルトパックの玄米です。レトルトのお米は美味しく感じられるような加工がたいていしてあるため、自宅で炊いたものよりもやわらかく食べやすいです。血糖値が上がりやすい傾向はありそうです。
ちなみに、玄米は胚芽とぬかが残っている状態のお米です。そのため、精白米に比べて食物繊維や栄養が格段に多く含まれています。
血糖値上昇という面ではなく、栄養の側面からみれば、玄米を食べるほうがずっと健康的です。
うどんVSそば
GI値は、うどん80~85、そば54~59です。
そばといえば、低GIの主食として認知されている食品のひとつです。小麦粉で作ったうどん、そば粉で作ったそば。
測定動画では、血糖値の上がり方は変わりませんでした!
というか、検証動画では富士そばの蕎麦と丸亀製麵のうどんを食べていたのですが、そばのほうが血糖値は少しだけ高く上がっていたのです。ウソでしょって思いました。
そばはつなぎとしての小麦粉の配合量でそば粉100%の十割そばやそば粉8:小麦粉2で作った二八そばなどがあります。もっと小麦粉の配合量が多いものもあります。富士そばは小麦粉多めの配合です。
血糖値測定動画でもコメント欄に小麦粉が多いからではないかという意見が書き込まれていました。そこで、動画制作者は小麦粉の配合が違うそばでさらに実測。
違いがあると思いきや、どれも血糖値の上がり方はほぼ同じでした。
小麦粉もそば粉も糖質が多い食材であることには変わらないからです。血糖値上昇の面から見るとほとんど変わらないのです。これもまた驚きの結果でした。そばってGI値が低いから血糖値が上がりにくいと信じて疑っていませんでしたから。
そば粉が多いと、健康にいいルチンなどの成分が増えます。血糖値ではなく、全体的な栄養面からみれば、そばを選択するのは正解といえます。
何を信じるべきか
低GIの食品を見てみると、なぜか糖質をほとんど含まず血糖値を上げにくい豚肉が46、鶏肉が45であるのに、炭水化物のそばが54で意外と近い値なんです。もっと差があっていいですよね?
こんなことがなぜ起こるのだろうとGI値の計測方法を調べてみると、同じ糖質量になるように食べて血糖値の上がり方をみているのです。
同じグラム数でもなく、1食で通常食べる量でもなく、同じ糖質量になるグラム数で計測するのです。
血糖値を上げるのは糖質ですから、同じ量の糖質を食べるなら、どんぐりの背比べみたいな数値と言えなくもないですね。
近年は、1食分の量を想定したGL値を参考にすべきという考え方もあります。GLはGlycemic Loadの略。
GL値=食品に含まれる炭水化物の量(g)×GI値÷100 で計算します。
基本的に食べた糖質の量が血糖値の上がり方に一番大きな影響を与えます。血糖値上昇を抑えたいと考えるなら、食べる糖質の絶対量で調節するほうが簡単で、思った通りの結果が出やすいと考えます。
また、血糖値測定動画でわかったことのひとつに、ベジタブルファーストやナッツファーストが血糖値の上昇抑制に効果があることです。食後の運動についても効果がありました。
食べる糖質の絶対量の調節をベースに、ベジタブルファースト、食後の運動を組み合わせるのがGI値よりもいい結果を導いてくれそうです。