肥満に関する遺伝子-FTO遺伝子
肥満に最も関与していると呼ばれる肥満遺伝子がFTO遺伝子です。
FTOとは、fat mass and obesity-associatedの略。
FTO遺伝子には2種類あり、この遺伝子をもっているかどうか、またFTO遺伝子の組合せがBMI値に影響を与えると考えられています。
2007年にイギリスのオックスフォード大学とペニンシュラ医療機関(The Peninsula Medical School)がヨーロッパの白人4万人を対象に行なった研究結果を発表しています。
それによると、FTO遺伝子を1組持っている場合、肥満率が30%、二組持つと70%も高くなるというもの。
日本人に対しての調査ではないことから、この結果がわたしたち日本人あるいはアジア人にも該当するかどうかはわかっていません。
また、2009年には、ハインリヒ・ハイネ大学の研究者が、FTO遺伝子を欠損したマウスによる実験を行なっています。
FTO遺伝子を全く持たないマウスは、脂肪組織や除脂肪体重の大幅な減少があったそうです。
この遺伝子を持っていないことで、エネルギーを無駄にどんどん消費し、また交換神経活動が活発になって痩せてしまうのだとか。
FTO遺伝子は、動物が少ない食事でも脂肪を蓄えて生きていけるように組まれた大切な遺伝子と思われます。
でも、太りたくない人にとっては少しお邪魔虫な遺伝子に感じられるのかもしれませんね。
また、FTO遺伝子を持っていると高カロリー食を好む傾向が見られるとのことで、体質だけではなく、食べ物の嗜好によっても肥満へと導かれてしまうみたいです。
近年、遺伝子診断でも、FTO遺伝子がチェックできるようになりました。
その他、肥満に関係する代表的な遺伝子
⇒ベータ3-アドレナリン受容体
⇒UCP1(脱共役タンパク質)
⇒ベータ2アドレナリン受容体
⇒レプチン遺伝子
関連記事(以下はまだFTO遺伝子診断のないバージョンのものですが、ご参考に。)
⇒肥満遺伝子検査キット DNA SLIMの内容
⇒肥満遺伝子診断 結果